会長法話
有本 亮啓 前会長 第15話
浄土宗日常勤行のおはなし 七、お経(浄土三部経中 仏説無量寿経 四誓偈)
「我建超世願.必至無上道.斯願不満足.誓不成正覚・・・・・・・・ 當雨珍妙華」
浄土宗で最も大切なお経は浄土三部経(無量寿経 観無量寿経 阿弥陀経)です。
その中でお在家の方々が一番親しんで下さり、有難くお唱え頂いているお経文が四誓偈です。そこで四誓偈の要旨を解説し、いかに有難いかを説明したいと思います。
まず、偈というのは、お経の要旨を詩のようにした部分のことで、四誓偈とは、阿弥陀さまが人々を救う四つの誓いを表したものです。その四つとは、(お念仏を称える者を)何時でも、何処でも、誰でも、必ず、極楽浄土へ救うとの誓いです。すなわち阿弥陀み親さまの尊い親心(本願)が説かれているのです。
親心とは目に見えない不思議な有難いものです。赤チャンがお腹に宿ったらお母さんは誰に教えられることなしに、わが子が大事との親心が芽生えてくる。父となり、母となれば、自分の命にかえても、わが子を守る、わが子を育てる、わが子を救うとの親心が自然とそなわる。誠に不思議なものです。その親心の出処こそ、阿弥陀み親さまの親心(本願)なのです。
阿弥陀さまは本願で持って一切衆生を救うぞとの誓いを建てられ、それが完成したのです。そして、誓願をすべて名号(南無阿弥陀仏)の中に込めて下さったのです。
だからお念仏を称えれば、何時でも、何処でも、誰でも、必ず救われるのです。間違いありません。
「南無と云えば、弥陀は来にけり、一つ身を、我とや云わん、仏とや云わん」 四誓偈を唱えれば常にみ親さまとご一緒させて頂ける(同行二人)のです。そしてやがて極楽往生させて頂けるのです。
合掌