会長法話
有本 亮啓 前会長 第18話
浄土宗日常勤行のおはなし 十、三尊礼②
南無至心帰命礼 西方阿弥陀仏
観音菩薩大慈悲 已得菩提捨不証 一切五道内身中 六時観察三輪応
応現身光紫金色 相好威儀転無極 恒舒百億光王手 普摂有縁帰本国願共諸衆生 往生安楽国
②「帰依し、身も心もささげて、西方浄土の阿弥陀さまを拝みたてまつります。
観音菩薩は大いなるお慈悲の心から、すでにさとりの境地を体得されているにもかか
わらず、それをお捨てになり、あえてさとりを遠ざけられ、輪廻を繰り返す迷いの道を
すべて、自分の身体の中におさめられ、四六時中、そこにおる人々をご覧に成られて、
救済のお仂(はたら)きをされています。
眼前に現れたお姿は紫色に輝き、そのお身体の妙なる特徴や身の振るまいは、この上
なく素晴らしいものです。つねに百億の光のごときみ手を差しのべて、あまねくご縁
のある人々を摂め取り、極楽浄土へ迎え帰らせて下さいます。
願わくは、多くの方々と共々に阿弥陀仏さまの極楽浄土へ往生出来ますように」
観音さまは大慈悲の菩薩さま、本来は仏さまに成っていらっしゃるお方なれど、わざわざ菩薩の位にとどまって、親しく私たちをご指導下さるのです。だから阿弥陀さまの左手
(向って右側)のそばにいて、阿弥陀さまのお慈悲にお手伝いをなさっているのです。
お慈悲の慈とは一切の見返りを求めず、一方的にいつくしみを、愛情を注ぐ親の心です。お慈悲の悲はどうにもならぬものをどうにかしてやりたいという、わが命を捨ててでも、わが子を救うという親心です。
観音さまと共に私たちの亡き親や、ご先祖さま方もこのお慈悲でもって私たちを常にお守り、お育て、お救い下さるのです。ただただ有り難くて、お念仏申さずにはおれません。
合掌