会長法話
浄土宗日常勤行のおはなし 十九、三唱礼
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
三唱礼とはお念仏に多少節を付けて称え乍ら、仏さまを礼拝することです。お寺での法要の時など、最初のお念仏で立ち、二回目は仏さまのお顔を拝み、三回目のお念仏で座り、仏さまのお足を掌に頂戴する気持ちで恭しく礼拝し、これを三回繰り返します。しかしお家での普段のお勤めでは座したままで恭しく、み仏を拝し、お念仏を三回づつお称えするのです。三回行うということは単に二に一を加えた数量を表わす以外に、三恩、三顧、再三などというように「たびたび」という意味で使われることも多く、三つを一組にした形で、仏教ではしばしば好んで用いられています。ですから三唱礼も、ただ三回お念仏を称えるということだけではなく、何度も何度も繰り返す無限の意味をこめたものと受け取って戴きたいと思います。
そして、この三唱礼はなるべく大きな声で、腹の底から称えて頂く事が大事です。大きな声を出してみ仏さまを礼拝することは健康上も誠に好いと言われています。だから概してお坊さんは長生きです。法然上人は80歳、二祖聖光上人77歳、三祖良忠さま89歳です。今から730年~800年以前ですから大変な高齢です。どうぞお腹に力を入れて毎日毎日お念仏をお称え下さい。丈夫で長生き出来ます。
天海僧正(徳川家康公が帰依されたお坊さんで、百八歳までの長寿)曰く、丈夫で長生きの秘訣「小食、粗食、日湯(朝風呂)、陀羅尼、時々はご下風(おなら)相なるべし」(註 陀羅尼とはお真言のことですが、広い意味ではお念仏も陀羅尼の一つに入れることが出来ますので、浄土宗ではお念仏と置き替えて下さい) 要は人生、三無主義(無理なく、無駄なく、ムラなく)にてお念仏をお称えし、気楽に(時々はおならもしてリラックス)生き往きましょう。さすれば丈夫で長生きそしてやがて極楽往生間違いなしです。
合掌