会長法話
「人間界を三悪道にしないために!」
先のパキスタン大地震で家族を亡くした青年は「人間の幸せは家族が一緒に暮らすことです」と言っていました。
我が国では今、家族がどんどん減ってきています。あと十年先の二〇二五年には一人暮らしの世帯が一番多くなると予想されています。
十月十九日毎日新聞の「変わりゆく家族」で「そう遠くない将来、家族がなくなる。」と書かれていました。それにつれ孤独死もふえてくることでしょう。
動物、特に草食動物や鳥にも家族を形成しているものもありますが、多くは子どもを産むと、やがて別々に独立して暮らし、孤独に死んでいきます。人間界も畜生道に近づいていると言えます。
又、最近のテレビはどの番組を見ても食べているシーンが多くグルメ・グルメであります。食の魔道に堕ち、餓鬼道に近づいています。犠牲になってくれた生命に感謝の心のかけらもなく、食材と言ってはばからない。そして又、新聞の社会面を見ても殺人事件が報道されていない日はない(理由なき犯罪世代)そんな日本のことを殺人列島と呼んだ人がいます。親が子どもを虐待死させ、又、子どもが親をあやめる。殺されたものも不幸、殺した方も不幸、これはまさに地獄道であります。地獄・餓鬼・畜生のことを三悪道と言いますが、三悪道の世界は死後にもありますが現実の世界が三悪道に近づいています。
仏法が人々の心から消えると人間界が悪道に変わるのです。
お釈迦様はそうならないように仏法を説き残して下さったのです。日本が再生するためには仏法がよみがえる他に道はありません。
自身の永遠の幸せのために、また子孫のために仏道にはげみたいものです。
最後に、私を生涯お導き下さった梁瀬義亮先生のお言葉をご紹介いたします。
「 勇気を出して下さい。
希望を持って下さい。
仏陀の許しと救いのみ光は滋く滋く貴方の上にあるのです。
仏陀の示された道を、謙虚と懺悔の心で勇ましく歩んでください。
必ず救いがあります。
痛ければ痛い、辛ければ辛い、苦しければ苦しい、泣きながらでもよい、ただ仏祖を
心に持って一心に念仏して下さい。
友よ!勇気と希望をもって進んで下さい。肉眼では見えないが、み仏の慈光が貴方の
上に惜しみなく降りそそがれていることを信じて。合掌 」
南無阿弥陀仏