今月の法話
令和5年2月
お念佛からはじまる幸せ
皆様にとって「幸せ」とは何でしょうか?またどんな時その幸せを感じられますか?
毎年2月になると思い返す事があり、12年経った今もそれは変わりません。お月参りを続けて下さるお檀家さまがお爺様の百ヶ日をつとめらえた次のお月参りに寄せて頂いた時の事です。
「先般はありがとうございました。無事に納骨まで済ませて頂けました。実は百ケ日の日、中学生の孫はクラブの試合があって来てませんでしたが、前日にお爺ちゃんに手を合わしに来てくれましてね。お位牌に手を合わせ、お骨を抱きしめて「お爺ちゃん、またね」そしてお骨を抱きしめたままお爺ちゃんの部屋に行って「お爺ちゃんの匂いがする。このままこの部屋置いといてね」と言うて帰って行きましてね。まさか前日にわざわざ思春期の孫が来てくれるとは思ってもいなかったですし、ましてやその様な言葉を言うてくれるとは・・・。それが本当に嬉しくて嬉しくて」と、涙を零されておりました。
それまでのお孫さまは、阿弥陀様とかお念佛など信心頂いておられなかったように思います。しかし、お爺ちゃんに対しての感謝の気持ちやもう一度会いたいと思われるそのお気持ちが、ご一緒に座ってお参りするようになられ、阿弥陀様とのご縁を深めてきて頂いたお爺ちゃんお婆ちゃんのぶれない信仰心が、お孫さまの心に受け継いで頂いたのではないかと。
阿弥陀様を信じる心から、お念仏をお称えさせて頂く幸せを感じつつ、人としての優しさや、思いやりの心を育てる事が出来るのではないでしょうか。人としての本来持つべきみ心を育て、心の健康、体の健康を育んで頂いているものと受け止めさせて頂いた次第です。 今月13回忌の法要、久々にお孫さまに会えるのが楽しみです。
合掌
京都 蓮乘寺
登田正樹