今月の法話
令和6年3月
出会い
春は別れと出会いの季節です。
私達は様々な出会いの中で、「いい出会いがあったらな」「いい人とめぐり会いたいな」と思います。しかし、ひるがえって自分が相手から「いい出会いだったな」「いい人とめぐり会ったな」と言っていただけるような心がけをしているでしょうか。案外求めてばかりの私達ではないでしょうか。「いい人とめぐり会ったな」と言っていただけるような努力をしていれば、きっと様々ないい出会いが広がっていくことでしょう。
私達は、人生の中で宗教との出会いというのもあります。出会い方如何によって、無上の幸せに導かれたり、不幸になったりします。
法然上人は出家から約30年の歳月を費やして、お釈迦様一代の御教えの中から、すべての人々が幸せへと導かれていく「お念仏」の御教えに出会われ、私達のために示してくださいました。今でこそ、誰もが「お念仏」と言えば、「南無阿弥陀仏と称えること」とおっしゃいますが、これは法然上人が「お念仏」をお広めくださったからこそなのです。阿弥陀様が南無阿弥陀仏と称えるものを一人も漏らさず、この世、のちの世かけて必ず護り導く、というお誓いを成就されました。 私達を本当の幸せの道へ、尊い日暮らしの道へと向かわせていただける御教えです。
今年は法然上人が浄土宗を開かれてから850年になります。そのお念仏の御教えに出会わせていただいたのです。そのことを悦び、南無阿弥陀仏の御念仏の中、日々の出会いを大切にされ、幸せな人生をお送りいただきたく存じます。
合掌
京都 天然寺
城平賢宏