今月の法話

令和7年4月

日々のお念仏

皆さんこんにちは。

寒い冬もおわり暖かくなりましたね。

今日は私の寺のことを少しお話します。

 寺の先代は昨年2024年3月13日101歳にて往生いたしました。若い頃より病弱でベットの上で生活をしていることが多かったようです。

 そんな先代ですが60歳の時に浄土宗の門をたたき僧侶となります。以来20年間寺を守ってきました。80歳を機に私に寺を譲り隠居生活に入りましたが日々のお念仏を忘れることはありませんでした。

 数年後施設のお世話になりますがそこでもお念仏を続けます。認知症になりますがそれでもお念仏を忘れることはありませんでした。

 ある日私の所に電話がありました。施設の方から「夜中でもお念仏を称えられるので困ります。なんとかなりませんか」とのことでしたが私にはどうすることもできません。昼に寝て、夜は起きてお念仏を称える昼夜逆転していたようです。

 その後夜のお念仏はなくなりましたが朝に昼にとお念仏を忘れることはありません。寝たきりになりましてもお念仏を続けました。最後の夕べまで口には「南無阿弥陀仏」がありました。最期の姿は穏やかでした。

 お念仏を称えることによって日々の安らぎを頂き101歳の長寿全うできたのではないか、お念仏により生かされたのではと思います。

 この世の中は辛いことや苦しいことが多いですが負けることなく生きていきたいものです。先代のようにお念仏を忘れることなく。

新潟 天崇寺
長谷川三靖

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