今月の法話
日々新たに
新年明けましておめでとうございます。
本年も皆様にとりまして良い年になるようご祈願致します。
正月に執り行われる法要を「修正会」と申します。そのときお唱えする偈文を「祝聖文」と申し、以下の言葉です。
天下和順 日月清明 風雨以時 災厲不起 国豊民安
兵戈無用 崇徳興仁 務修礼譲
(天下は太平であり、日と月は清らかに明るく照らし、風と雨は時に応じ、災害と疫病も起きず、国は豊かに人々は安らかに過ごし、兵や武器を用いる争いごとも無く、人々は徳を崇め仁を尊び、努めて礼譲と謙譲の道を修めます。)
この御文は『無量寿経』下巻に説かれております。
仏様の教えを信じ行えば、このような法益がある事を示しています。
その為には、私たちが徳を崇め、人としても道である仁慈を尊び、礼儀と謙譲の道を歩むことが大事であると説かれます。
最近は、「徳」とか「仁」の言葉をあまり聞かなくなりました。
徳とは、善いことを行う事ことにより備わる品性を言い、仁とは人に対する思いやりです。徳が得となり、仁は刃(じん)となり果てた様に思います。自分の得の為に他人に対して刃(やいば)を向けるような事が多くなったように思います。
あらゆる宗教は、自らを省みることから始まります。悔い改める。即ち懺悔することです。そこから新しい自分が生まれます。
雪のうちに 仏のみ名を称ふれば
積もれる罪ぞ やがて消えぬる
法然上人
懺悔する事は、何も難しいことではありません。ただお念仏を心からお唱えする事です。暮れには「仏名会」を厳修致します。阿弥陀様の名をお唱えし、心を清くして新年を迎えます。お念仏には、罪を消し、ご加護を戴き、往生が叶う功徳があります。この一年、一向にお念仏申して日々新たに過ごしましょう。
合掌
大阪 秋玄寺
宮地正則