今月の法話

令和6年1月

日々新たに

新年明けましておめでとうございます。

本年も皆様にとりまして良い年になるようご祈願致します。

正月に執り行われる法要を「修正会(しゅしょうえ)」と申します。そのときお唱えする偈文を「(しゅく)(しょう)(もん)」と申し、以下の言葉です。

 天下和(てんげわ)(じゅん) 日月(にちがつ)清明(しょうみょう) 風雨以(ふううい)() 災厲不起(さいれいふき) (こく)()民安(みんあん) 

 兵戈(ひょうが)無用(むゆう) (しゅ)(とく)(こう)(じん) ()(しゅう)礼譲(らいじょう)

(天下は太平であり、日と月は清らかに明るく照らし、風と雨は時に応じ、災害と疫病も起きず、国は豊かに人々は安らかに過ごし、兵や武器を用いる争いごとも無く、人々は徳を崇め仁を尊び、努めて礼譲と謙譲の道を修めます。)

この御文は『無量寿経』下巻に説かれております。

仏様の教えを信じ行えば、このような法益がある事を示しています。

その為には、私たちが徳を崇め、人としても道である仁慈を尊び、礼儀と謙譲の道を歩むことが大事であると説かれます。

 最近は、「徳」とか「仁」の言葉をあまり聞かなくなりました。

徳とは、善いことを行う事ことにより備わる品性を言い、仁とは人に対する思いやりです。徳が得となり、仁は刃(じん)となり果てた様に思います。自分の得の為に他人に対して刃(やいば)を向けるような事が多くなったように思います。

 あらゆる宗教は、自らを省みることから始まります。悔い改める。即ち懺悔(さんげ)することです。そこから新しい自分が生まれます。

雪のうちに 仏のみ名を称ふれば 

        積もれる罪ぞ やがて消えぬる

                          法然上人

懺悔する事は、何も難しいことではありません。ただお念仏を心からお唱えする事です。暮れには「仏名会」を厳修致します。阿弥陀様の名をお唱えし、心を清くして新年を迎えます。お念仏には、罪を消し、ご加護を戴き、往生が叶う功徳があります。この一年、一向(ひたすら)にお念仏申して日々新たに過ごしましょう。

                                             合掌

大阪 秋玄寺
宮地正則

バックナンバーを見る