今月の法話
平成20年1月
弥陀の誓願
『無量寿経』には、遙かな昔、法蔵菩薩がお出ましになり、貪(むさぼり)、瞋(いかり)、痴(おろかさ)の三毒煩悩で苦しみ、命終の後、苦しみの世界へ堕ちて苦しむすべての衆生を憐れみ、平等に救済せんと発願されました。
五劫という長い時間をかけて思惟され四十八の大願を発し、兆載永劫という想像を絶する時間をかけ、私達に代わってご修行くだされたのです。その報いとして西方極楽浄土(報土)を構え阿弥陀如来(報身)という佛様に成られ、一切のご修行の功徳を「南無阿弥陀仏」の六字の名号にこめれられて私達に施与されました。
「どのような時でも、ありのままの心でひたすらな南無阿弥陀仏と我が名を呼べ、その声に応じて私はあなた方を護り、そして命終の時は、必ず西方極楽浄土へ迎えとってあげましょう」と、いま現に法を説いておられます。
救われようのない末法の世の中に生きる愚かな、この私一人(いちにん)を救わんがため大慈悲の光明を今も放っておられるのです。
この阿弥陀様の尊い親心に気づかせて頂くためにも、「南無阿弥陀仏」と声高らかにお念仏をお称えし、往生浄土の目標に向かって阿弥陀様の光明の中を力強く歩みましょう。
岡山 淨土院
漆間宣隆