今月の法話
平成28年1月
寒修行
当地方では冬の間、寒修行として托鉢が行われます。12月の始めに曹洞宗の若い僧侶方、それから日蓮宗、臨済宗そして浄土宗へとつづきます。
浄土宗では秋田教区を中央、県北、県南との3か所に分けて浄土宗青年会が毎年行っております。今年は中央の当番で会所の善長寺でお経を勤めてから、大町、秋田駅前それからまた大町、善長寺へと巡る、延べ4キロメートルの托鉢であります。これは40年以上もつづいている冬の行事です。
托鉢で集まったご喜捨のお金は社会福祉へ全額寄付します。この托鉢は自分自身にとっては寒修行であり、又、社会貢献にもなります。
本年も「浄土宗佛教青年会」と「歳末助け合い」と書いた旗を先頭に約1時間の道のりを手甲・脚絆・ズタ袋のいでたちで行脚しました。
この服装に関して各宗は一緒です。例年は吹雪の中での托鉢となるのですが、今年は暖冬のおかげで雪は全くありません。それでも寒さはこたえます。
やはり寒修行です。しかしこの寒い中、お念仏を称えながら歩くのがまたよいのです。浄土宗青年会は13名ほどですが、皆お揃いの托鉢姿で、お念仏を称えながら歩るく姿は実にすがすがしいものです。このように寒い中にも宗派をこえ一つとなり、お念仏の声とともに喜捨して下さる方々の心の暖かさが身にしみてありがたいものです。
「寒くとも 袂(たもと)に入れよ 西の風 弥陀の国から 吹くと思えば」
合掌
秋田 善長寺
渡邊正歓