今月の法話

令和2年4月

一蓮托生

春の風や雨がよく花を咲かせ散らす4月、浄土宗の.各寺院では御忌法要を勤めます。
ご承知のように、元祖大師法然上人は平安末期の長承2年(1133年)4月7日の正午に岡山誕生寺でご生誕され、鎌倉中期の建暦2年(1212年)1月25日の同じく正午に現在の知恩院勢至堂でご往生されました。

現代を生きる私たちとは850年以上の隔たりがあり、残念ながら法然上人のお姿を目の当たりにすることはかないません。しかし、残された多くの御法語を拝読する中で法然上人のお人柄、み教えに親しく接することができます。元祖大師御法語(後編第29一蓮托生)に、「南無阿弥陀佛と称え給えば 住所は隔つといえども 源空に親しとす 源空も南無阿弥陀佛と称えたてまつるが故なり」と、ございます。

法然上人ご生誕の今月は、ご自宅のお佛壇、菩提寺、総本山知恩院などいろいろなところでいつも以上に念仏申す様心がけましょう。たとえ時空は遠くへだつといえども、お念佛の声のする所は常に法然上人と一緒です。新型ウイルスの流行で危機管理が喚起される毎日です。ならば一層、注意深く病気に備え、心は大らかにしてお念佛を。

合掌

山口 専称寺
沖村宏明

バックナンバーを見る