今月の法話
令和2年12月
応病(おうびょう)与薬(よやく)
令和2年も大晦日を迎えます。大晦日には“除夜の鐘”を撞くのが習わしです。除夜とは「除煩悩夜」といい、煩悩を取り除く夜と申します。
除夜の鐘 わが煩悩を 洗うごと
三毒煩悩といわれる欲張りの心・怒りの心・愚痴の心を洗い流して、新しい年を迎えたいものです。
今年はコロナに明け暮れた年でした。この様子では、コロナ禍も年を越しそうです。三密(密閉、密室、密集)避けることが言われます。そういった中で、「鬱」になる人があるようです。コロナ鬱に対して、ある精神科医の先生は処方として、
- 不安を認め受け入れる
- 規則正しい生活をして、体を動かす
- 明るい未来を予測する
- 感謝の気持ちで、常に言うべき五文字「ありがとう」
このことを守ることにより、鬱を予防し克服することが出来ると話されていました。
医者は病気に応じて薬を投与致します。お釈迦様は相手に応じて法を説かれました。お釈迦様の説法の仕方を医者に例えて「応病与薬」と申します。鬱の処方は煩悩の処方にも通じます。
- 自らの愚かさを認め受け入れる
- 規則正しい生活をして、勤行・掃除・勤めにいそしむ
- 明るい未来、極楽への往生を願う
- 誓願を信じ、常に言うべき六文字「南無阿弥陀仏」
このことを守ることにより、煩悩を洗い流すことが出来ます。コロナ禍の中で、手洗い・うがいを励行するように、常にお念仏をお唱え致して、沸き起こる煩悩の汚れを洗い流しましょう。
お念仏を申して、良い年を迎えますことを祈念致します。
合掌
大阪 秋玄寺
宮地正則