会長法話
浄土宗日常勤行のおはなし 二、三宝礼
一心敬礼十方法界常住仏 一心敬礼十方法界常住法
一心敬礼十方法界常住僧
「一心に敬って十方法界(あらゆる世界)に常住(かわることなくまします)のみ仏を礼拝いたします。一心に敬ってあらゆる世界にかわることなくましますみ仏の教えを礼拝いたします。一心に敬ってあらゆる世界にかわることなくましますみ仏の教えを守る僧たちを礼拝いたします。」
仏前にお香を焚いて供養の誠をささげ、同時にわが身、わが心を浄め整えて、次に仏教徒としてのまず持たねばならない心構えがあります。それが三宝礼です。
聖徳太子は『十七条憲法』に「篤く三宝を敬え、三宝とは仏法僧これなり」とお示し下さったように、仏教信者は、み仏と、み仏の教え(法)そしてその教えを守り修行する者(僧)に対して常に敬いの心を持たねばならないのです。
み仏とは私たちを明るくお照らし下さるお方で、お灯明を点すことにより、み仏に感謝の心を表すと同時に、有難いことにみ仏によって私たちの身心を明るく照らして頂けるのです。仏とは明るくと頂けるのです。
次にみ仏の教え(法)とは、この世で最も正しい教えであり、その法を守り、学ぶ意味でお線香を薫じますと、その香りで私たちの心が清まり、お線香の煙が上へ上へとあがるが如く、私たちの人生を正しく進ませて頂くようお導き下されるのです。法とは正しくと頂くのです。
僧を敬うとは、僧とはただお坊さんのみを指すのではなく、僧とは梵語でサンガ(僧伽)と言い、和合僧と訳します。すなわち仏法を守り、修行する者は、出家在家を問はずみんな仲よく共々に励むものであり、これはお花を献ずることにより、あの花のように、調和のとれた美しく、仲よい人生を歩めとの教えであると頂戴するのです。僧とは仲よくと頂くのです。
すなわち三宝を敬うということは、形の上では、お灯明、お線香、お花をお供えすることで整い、そして心の上では、「明るく、正しく、仲よく」との仏教徒としての基本的な生き方を表すのです。
合掌