会長法話

中村 晃和 前会長 第10話

 「願いをもって生きる」―ひがんを求めて―

 人は誰でも願いをもって生きています。
 その種類はちがっても、願いをもたない人はいないでしょう。それでは、お釈迦さまや、善導大師や法然上人はどんな願いを持って生きてゆきなさいと教えておられるのでしょうか。
 これらの方々が共通して教えておられるのは、彼岸、つまり「極楽浄土に往生させていただきたい」との願いをおこしなさいということです。
 法然上人は、ご法語の中で「おおよそ迷いの生涯を離れる修行は少なくありませんが、何よりもまず、極楽浄土に往生したいと願いなさい」と、おすすめになっておられます。
 又、おおくの人々に親しまれている「阿弥陀経」の中で、お釈迦さまは、三度にわたって「もし極楽浄土を信じることのできるものは、まさに願いをおこして極楽浄土に往生すべし」と説いておられます。
 もうすぐお彼岸です。彼岸とは西方極楽浄土のことです。
 私たち人生のめざすべき真の目的は、彼岸に到ることです。だから彼岸のことを「到彼岸と申すのです。」
 どうか彼岸会にご参詣頂き、仏法を聴き、仏道修行に精進させていただきましょう。
  「このたびを限りとせんと思うかな 身も受けがたく法も得がたし」

合掌   南無阿弥陀仏

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