今月の法話

令和8年3月

ほとけまかせの 身こそ安けれ

北原白秋さんの詩に「ひとつのことば」というのがあります。

 ひとつのことばでけんかして ひとつのことばでなかなおり

 ひとつのことばで頭が下がり ひとつのことばで心が痛む

 ひとつのことばで楽しく笑い ひとつのことばで泣かされる

 ひとつのことばはそれぞれに ひとつの心を持っている

 きれいなことばはきれいな心 やさしいことばはやさしい心

 ひとつのことばを大切に ひとつのことばを美しく

 私達はこの世を生きていく中で多くの言葉に出会い、時には笑い、時には涙し、言葉によって心が動かされるものです。まさに「言葉は心」であります。私自身、ある言葉によって心が動き、有難いなと思ったことがあります。

 それは、私が中学受験をする前日のことでした。母が私の顔を見て「あんた、すごい顔してるな」と言うのです。中学受験をすると決めていたにも関わらず、まったく勉強してこなかったからか、不安な心が顔に出ていたのでしょう。続けて母が「落ちたらどうしようと思ってるんやろ?」まさに図星であります。すると「別に落ちてもええやん!その時は阿弥陀さんがその学校行くの辞めときって言ってはるんやわ」と言ったのです。その時、私の不安な心が動き、何とも言えない有難い心になり、心穏やかに受験することができ、無事合格することが出来ました。

 後の世も この世もともに 南無阿弥陀仏 ほとけまかせの 身こそ安けれ

 この先の人生、色々な出来事に遭遇することと思いますが、南無阿弥陀仏の念仏生活の中、いかなる時も「阿弥陀さまが見守って下さっている」「阿弥陀さまが導いて下さる」と、何事も仏心で受けさせていただき、心穏やかな日暮しをしてまいりましょう。                        合掌

大阪 法善寺
神田眞英

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