今月の法話

令和7年7月

「村の寺のお念佛」

 私のお寺では、十年ほど前から毎月二十三日をお寺での「お別時会」とさせて頂いている。午後二時から四時までの約二時間のお念佛の会である。

 約一時間の念佛三昧をして、十分ほどの休憩をとり、その後二十分程度のお話をしてのち、又三十分間の念佛三昧となる。

 参加者は近隣の檀信徒の方々である。農繁期では少し参加者は減るが、毎月五・六名から十人前後の参加者がいらっしゃる。

 お別時を始めた頃は一時間のお念佛は、ずいぶん長いと感じる方もあったようだが、今日ではごく当然の如く念佛三昧を修してくださるようになった。

 さて、つい最近のことであるが、あるご因縁で、長らく禅の修行をされた方が、この別時会に参加下さるようになって、もう半年ばかり経つが、またその方のご因縁で、浄土真宗のお寺さんのグループの勉強会の方々が、今月の二十三日に別時会にご参加下さることになった。

 聞くと、真宗では「行」というものが無いということで、一度「お別時」を体験させて頂きたいと、ご参加のご希望があった。

 そこで私も大変うれしく思い、今日のお別時を楽しみにしている。

 要するに、とにかく宗旨を超えてお念佛をされる方が一人でもできることが大切だと思っている。法然上人のお念佛の世界は、そのようなスケールのものであると思うのである。

南海 西念寺
瀧口信行

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