今月の法話

令和8年2月

慈悲の心

 2月15日は、この世で一番尊くも優しいお釈迦さまが亡くなられた、涅槃(ねはん)にお入りになった日です。

 お釈迦さまは、紀元前5世紀ごろルンビニでお生まれになり、やがて人生の無常を憂い出家され、35歳でさとりを開かれ、80歳で涅槃に入られます。45年間に無量無数の教えを説かれたのです。ありとあらゆる教えが説かれましたのは、ありとあらゆる煩悩を備えた人がいたからであります。相手に応じてふさわしい教えを説かれたのです。修行の旅に各地を巡り、煩悩が引きおこす苦しみから逃れ、安らぎを得るという教えを人々に授けられました。伝道の旅は、80歳で亡くなられる寸前まで続きました。

 お釈迦さまは、人間はなぜ生まれ、老い、病み、死ななければならないのか。この迷いや苦しみを越えて本当に喜び生きる道はないだろうか。なんとしても力無き者、自分で厳しい修行の出来ない者をこそ救い、生死の迷いを超えて、生き甲斐のある喜びの人生を送らせる為にはどうすればいいか。このことがお釈迦様の教えの根本でありました。相手の苦しみを除き、喜びを与えたいという慈悲の心で、多くの教えをお説き下さったのです。その中でも、出世の本懐としてお念仏の教えを説かれました。法然上人は、お釈迦さまのそのみ教えのままに、全ての者が平等に、老いたる者も、若い者も、力ある者も無き者も、救われる道として念仏の教えを終生かけてお説き下さったのです。お念仏の教えは、慈愛深いお釈迦さまが一生を懸けて、私共の為に勧めて下さった御教えだと信じてお念仏を申してまいりましょう。

合掌

滋賀 摂取院
安本霊彦

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