会長法話
岩波 昭賢 前会長 第3話
ご挨拶
日毎に陽射しの厳しい頃になってまいりました。
皆様にはお変わりなきこととお喜び申し上げます。
近頃の世情厳しく、連日のように胸を痛める出来事が報道されることどもを耳目にするとき、法然上人のお言葉をあらためてしっかりと受け取りたいものであります。
法然上人の「凡夫の報士に生まれむことをしめさんがためなり」「知者のふるまいをせずして唯一向に念仏すべし」のみ教えを、「御忌」法要の言葉使用をお許しいただいた天皇様は勅のなかで、流派をくむものはその源を尋ね、「尋源」、枝葉を愛するものはその根を培う、「培根」。いずくんぞ「本源」をわするべけ んや。と勅なさっておられます。
このような時代にこそ「尋源」、「培根」のみ教え、その源を尋ねその根を培うという言葉の意味をしっかりとかみしめ、「本源」を見失わぬように努めたいものであります。
私たちが今ここに日々の生活を無事に営むことが出来ておるのは何の故でありましょうか。 森羅万象全てのものにはその「源」がありそれを支えてくださる「根」が存在しております。そのことをただただ素直に受け取り、知者ぶることなく、凡夫である私が無事に生活できる事を尊く喜びたいものであります。
南無阿弥陀仏 合掌