会長法話

中村 晃和 前会長 第2話

「今年一年をふりかえって」

 早いもので今年も一ヶ月を残すだけとなりました。歳を重ねるごとに、一年の経過が早く感じられてなりません。皆様もそう感じておられるのではないでしょうが。
 今年一年を振り返り見て、二度とあと戻りできない日々を大切に過ごして来たか、反省・慙愧(ざんき)のいたりであります。
 人間にとって一番大事なのは時間です。その大切なものをいたずらに無駄に過ごしているのが私達人間です。
 それだけじゃなしに、三悪道(地獄・餓鬼・畜生)に堕ちていかなければならない種まきをしている自分が、仏さまの光に照らされて見えてまいります。
 広懺悔文(こうざんげもん)の最初に
「無始より、このかた、ないし今身(こんじん)に至るまで一切の三宝(さんぼう)、師僧父母(しそうぶも)、六親眷属(ろくしんけんぞく)、善知識(ぜんぢしき)、法界の衆生を殺害(せつがい)せること数を知るべからず」とあります。
 その内容は、私たちは、いつとも知れない昔から今日に至るまでの間に、ありとあらゆる人々や生きとし生けるものを殺生して今日に至っていると教えて下さっているのです。 以下とても厳しいお言葉が続きます。
 何か誇張的な表現にも思えますが、今になってそのとおりの私であったとわからせていただけます。そんな罪悪深重のこの私を許し、なおもやさしくつつみ、お導きくださるのが阿弥陀如来のお慈悲でありました。
 しかも阿弥陀如来は、お救いを信じ、懺悔、お念仏を申してくる者を、八十億劫(おくこう)というとても長い間、生まれ変わり死に変わりして造ってきた罪業(ざいごう)を滅(めっ)して極楽浄土に迎えとってやろうとお約束下さっているのです。
 このお約束を阿弥陀如来の本願と言います。
 私達は阿弥陀如来の救いの綱(ご本願)にすがるより他ない存在です。 
 この阿弥陀如のお約束にお出会いできたことを心の底から喜ばせていただきたいものです。 

南無阿弥陀仏

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