会長法話

中村 晃和 前会長 第11話

「無条件に育ててくださる者の名を呼ぶことによって人間は成長する」

 生後まもない赤ちゃんは「オギャ」「オギャ」と泣く声で母親に訴える。
 母は無条件の愛情でもって子どもを育てる。
  (そこには何の条件も存在しない。)
 少し成長して無条件に育ててくれる者の名(お母さん・お父さん)を覚え、その名を呼ばなければいけないかのように名を呼び続ける中で成長していく。
 南無阿弥陀佛とお念佛申すことは「阿弥陀さま、我を助け給え」と阿弥陀さまの名を呼んでいることです。
 その佛の名を呼ぶ声に応(こた)えて阿弥陀さまは無条件の慈悲をもって私たちをよきによきにとお育て下され、やがては西方極楽浄土へとお導き下さるのです。
 阿弥陀さまは、私たちに何の条件も課されない、賢愚を論ずることもなく、罪の軽重をも問わず、財の有無に一切関係なく、ただ無条件にお育てくださる阿弥陀さまの名を呼ぶだけでよいのです。
 阿弥陀さまは法蔵菩薩といって菩薩の位におられた時、一つの誓願を立てられました。その願いとは「私の名を呼んでくる者があれば、無条件に私は、その人を救い上げる。もしそれがかなわなかったら、私は決して佛とは成らないとの誓いである。」
 その誓願を成就されて阿弥陀佛となられたのである。
 お十夜法要は、阿弥陀さまが無条件に私の名をよんでくるものは一切もらすことなくすべての者を救いとる。
 その誓願を完成されたことをお祝いする大変おめでたい法要です。
 共々に阿弥陀さまの誓願の成就をお祝いし、お念佛をお称えいたしましょう。
                            

合掌   南無阿弥陀仏

バックナンバーを見る