会長法話
浄土宗日常勤行のおはなし 十六、別回向
奉酬大悲願王阿弥陀仏一切三宝広大慈恩(十念)
高祖善導大師元祖法然上人上酬慈恩(十念)
〇〇家先祖代々追善菩提(十念)
〇〇〇〇(戒名)追善菩提(十念)
別回向とはみ仏さまやお祖師さまに対してご恩に酬いる意で特別に回向させて頂くと共に、今は亡き方々及びご先祖さまに善い功徳をたむけ(追善)て、悟り(菩提)を進めて戴くために勤めることです。いわゆる亡者(先祖)回向のことです。どうぞ毎日み仏さま、お祖師さま、そして亡き方々やご先祖を偲んで、お念仏の功徳を回向して下さい。お念仏こそ、み仏さまや亡き方々への一番のごちそうでありご恩返しであります。
そして、一心にみ仏さまや亡き方々のためにご回向を致しますと、その七分の一の功徳はみ仏さまや亡き方々に、七分の六はなんとわが身に戴けるのです。 これを七分獲一(しちぶんぎゃくいち)と申しまして、お念仏を称えることは結局は自らの極楽往生に振り向けられるということで、これもみ仏さまのお陰であると一層喜んでお念仏に励めるのです。誠にありがたいことです。
さて、私達は何の為に極楽に往生させて頂くのでしょうか?それは成仏する為です。成仏とは仏になること、すなわち極楽に往き生れて、やがて仏にならせて戴くのです。
では、仏とはなにか?仏とは俗に言う「ほどける」こと「ほどける」「ほどけ」「ほとけ」「仏」です。私達が常に持ち続けている、苦しみ、悩み、迷い、煩悩がすべて「ほどけ」て、清らかな、完成された人格にさせて戴くことが、成仏であり、それこそが最高の幸せであります。釈尊はおおよそ2500年前に35才で成道(成仏)されました。処が愚かな私達はどれだけ精進しても、釈尊のように、この世で成仏することは不可能に近いのです。
だから私達はこの世で実現出来ぬ成仏(悟り)を極楽でさせて頂くのです。極楽浄土はみ仏さまの世界ですから、すべての人達が必ず成仏出来るのです。これ程ありがたいことはありません。
合掌