会長法話

有本 亮啓 前会長 第26話

浄土宗日常勤行のおはなし   十八、四弘誓願

衆生無辺誓願度 煩悩無辺誓願断 法門無尽誓願知
無上菩提誓願証 自他法界同利益 共生極楽成仏道

「衆生は無辺なれども誓って度せんことを願う、煩悩は無辺なれども誓って断ぜんことを願う、法門は無尽なれども誓って知らんことを願う、菩提は無上なれども誓って証せんことを願う、自他法界は利益を同じくし、共に極楽に生じて仏道を成ぜん」
  世の中の生きとし生けるものは数え切れない程おりますが、今その多くの生けるもののお役に立ってゆきたいと思います。その為には、まず自分を整えることが大切です。処が悲しいかな現実の私は数多くの煩悩にあえぐ毎日ですので、まずこの煩悩を少しでも断ち切りたいと思います。煩悩を断ち切るには、その方法を教えて下さる法門(仏の教え)を学ばねばなりませんので、多くの法門を知りたいと思います。そして、限りない悟り(菩提)への道を、一歩一歩、歩みつづけ、やがては仏の悟りを得たいと願っています。
このような修行によって、自分も他の一切のものも等しく、この利益を受け、共に阿弥陀仏の極楽浄土へ往生し、やがてお悟りの境地に到りましょう。
  「生きることは燃えること、仕事に燃え、奉仕に燃え、人に燃えることです。」この言葉は元京都大学総長の平沢興さんのお言葉です。平沢先生は大学者であり医学博士でもあり、そして念仏者であられたお方です。そこでお念仏に燃えて生きなさいとお教え下さっているのです。
  私達はややもすれば、火のついていない炭のような存在です。火のついてない炭はそこらに転がしておくと畳を汚し、手をよごし、衣類を汚すのです。私達も、だらだらと生きていると炭と同じ、知らず知らずまわりに迷惑をかけるのです。処が炭を火の中に入れると、部屋を暖め、手をぬくめ、人の心まで温めてくれるように私達もお念仏の火の中に飛び込んだなら、仕事に燃え、奉仕に燃え、人の為に大いに役立つ人間になれるのです。お念仏を称えることは自らの往生の為と共に、世の為、人の為に成るのです。    

合掌

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