会長法話

鈴木 超淳 前会長 第10話

かきねをうがって 室に入りて 物を盗む者 これを名づけて賊と為さず 恩有るも 是れを報せざる者を大賊と為す。
垣根から内の様子を見て物を盗む人を、私達は泥棒と呼びますが、仏法の教えでは、恩に報いることのない暮らしをする人を、大泥棒と教えられます。
知恩院布教師会が発足して、今年で百周年を迎え、法然上人報恩の為、洗徳の御苦労を偲び、法然上人が二十六年もの長きにわたりで修行勉強されました比叡山元黒谷の青龍寺にて、八月三十日に会員一同で大別時会を勤め、一切経が収められている報恩蔵の前へ法然上人の御歌、浄土宗の宗歌「月かげの いたらぬ里はなけれども 眺むる人の心にぞすむ」の石碑を建立し、この石碑を観て下さる人が、一口でも念仏を唱えて下さるように念じて居ります。
仏の目、ご先祖の目から眺められて、大泥棒といわれないように、恩に報いる暮らしを致しましょう。

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