今月の法話

令和8年4月

両聖のお誕生

 四月に入り、麗らかな好季節となりました。

 タイトルにある「両聖」とは、仏教の開祖お釈迦様と、浄土宗祖法然上人のことで、この偉大なお二人の誕生日は、一日しか違いません。

 まずお釈迦様は、今から約二五〇〇年前の四月八日に、インドの小さな王国の王子としてお生まれになりました。お母様の摩耶(まや)夫人(ぶにん)は出産のために里帰りする途中、ルンビニーの花園に立ち寄られました。その時、無憂樹(アショーカ)の花が咲いていたので、右手を伸ばして手折(たお)ろうとした夫人の右脇からお生まれになったのがお釈迦様です。お釈迦様は成長ののち、三五歳の時、悟りを開いて仏陀となられ、八〇歳で入滅されるまで、教えを説かれました。

 次に法然上人は、今から八九三年前の長承(ちょうしょう)二年(一一三三)の四月七日に、美作(みまさか)(のくに)(今の岡山県)の豪族の長男としてお生まれになりました。その時、紫雲が棚引(たなび)き、二流れの白い(はた)が飛んで来て、(むく)の木の梢に掛かったといわれています。法然上人は四三歳の時に、専修念仏の教え=浄土宗をお開きになり、多くの人々を教化されました。そしてお釈迦様と同じ八〇歳で往生されました。

 お二人とも、これまでの難解で権威的・差別的な教えではなく、平易で皆が平等に救われる、慈悲にあふれた教えを説かれました。お釈迦様と法然上人。お二人のおられた時代は、約一六〇〇年の隔たりがありますが、お二人の教えは思いのほか似通っていると思われます。

南海 浄泉寺
佐々木諦道

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