今月の法話
令和8年9月
人生の終わりの備え-防災の日を迎えて-
九月一日は「防災の日」です。この日は、大正十二年(一九二三)に発生した関東大震災を教訓として、私たちの防災意識を高めるために定められました。近頃も各地で地震や豪雨などの自然災害が相次ぎ、多くの尊い命が失われています。
皆さまは、お住まいの地域のハザードマップをご覧になったことがありますか。私が住職を勤めるお寺は多くの河川に囲まれた地域にありますが、以前にハザードマップを確認したところ、浸水想定区域が非常に広範囲に及んでいることがわかり、大変驚いたことを覚えています。災害は、ある日突然やってきます。「備えあれば憂いなし」ということわざのとおり、日頃からハザードマップや避難場所、備蓄品などを確認しておくことが大切です。
実は、このことわざは私たちの人生にも当てはまります。災害がいつ起こるか分からないように、私たちもまた、自分の人生がいつ終わりを迎えるのか分かりません。しかも、人生の終わりは誰もが必ず迎えます。だからこそ、人生の終わりにも日頃からの備えが必要なのです。
その備えとして、お念仏があります。法然上人は、ただ「南無阿弥陀仏」と日々、お念仏をお称えすれば、この命を終える時、阿弥陀様が必ずお浄土へお迎えくださることをお説きくださいました。人生の終わりの備えとして、阿弥陀様にこの命をお預けし、日々、お念仏をお称えして、人生を歩むとき、心穏やかな毎日を過ごすことができるのです。
防災の日を迎える今月、災害時の備えを見直すとともに、お浄土へ往くための人生の終わりの備えにも思いを向け、日々、お念仏をお称えしながら過ごしてまいりましょう。
京都 阿弥陀寺
岩井正道

