今月の法話

平成16年9月

阿弥陀様とボタ餅

もち米を俵型のおにぎりにして、アン(小豆、ゴマ、きな粉等)にまぶしたものを、春は牡丹の花にちなんでボタ餅、秋は萩の花にちなんでおハギと言います。

本体は同じでも、春と秋では名が違います。考えてみますと、阿弥陀様も三身即一と言いまして、本体は阿弥陀様、その性格や働きを三つの方面からとらえて、①法身(真理、悟り) ②報身(法蔵菩薩が四十八の誓願をして、 それを実践し、その報いを得て阿弥陀仏と なられた) ③応身(人々を教化するため方便を多用する姿)という考えがあります。

では浄土宗で法然上人のみ教えを受ける私達は、この三身の内、どの働きに着目して生きてゆかなければならないのでしょう。

これは法然上人のみ教えの通りでよろしいのです。 法然上人のお言葉に、「彼の仏、今現に世にましまして、成仏したまえり。
まさにしるべし、本誓の重願むなしからざる事を、衆生称念すれば、必ず往生すべし」とお説き下さっております。
②の報身の阿弥陀様を信じて、法蔵菩薩様の、ご本願をお立て下さった事を信じ、極楽浄土におられる阿弥陀様の実在を信じ、「衆生称念必得往生」を信じ、南無阿弥陀仏と口で称え、この私の一生は前生、後生の 二つある。
前生は此の世で、口称念仏の生活、後生は極楽浄土の阿弥陀様の下での生活と信じて日々を生きていきたいと思います。

合掌

富山 西念寺
關野弘賢

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