今月の法話
平成20年6月
生かされるよろこび
私はこの頃、生かさせていただけることを、しみじみありがたく感ずるようになりました。私たちはこの世に生まれ、そして生き、やがては死を迎えます。生きているというけれど、果たして自分の力だけで、いきているといえるでしょうか。
如何なる人でも、自分一人の力で生きているというならば、それは大きな思い上がりといってもよいと思います。
誰しも自分の独りの力では、一日たりとも生きては行けません。天地自然の大きな恵みの中に、私たちが生かされていることも勿論、衣食住のどれ一つをとって見ても、数え切れないほど、大勢の人々の力に支えられて、動植物の幾多の尊い犠牲の上に、私たちの生命が保たれているのであります。
「ありがたいなあ」と、つくづく思っております。ひよっとしたら、昨夜眠りについたまま、心臓が止まって永遠に眠りについたかもしれないのに、爽やかな朝を迎えることができたという喜びが、心に満ちあふれているのです。
たった一つしかない命を大切に、一日一日を大切に、明日への希望と、生かされて生きていることへの感謝の心を忘れずに、これからもお念仏の日暮らしに生きていきたいと願っている私です。
合掌
新潟 善導寺
佐藤耕哉