今月の法話

平成25年1月

三日坊主

 新年おめでとうございます。新たなる年も生きがいのある一年でありますようお祈りいたします。
 今年は巳年、十二支の中で六番目に出てきますが、この巳(蛇)は数ある動物の中で比較的嫌う人が多いようです。中には「蛇、好きよ」とか「かわいい」なんていう人もいますが。蛇は生物学的にみれば陸上で生活する動物の中でもその形態は異質です。手足を持ち合わせていないから移動するにも腹這い状態で全身を覆っている骨格筋の運動によって移動しなければなりません。その移動運動に嫌悪感を抱く人もいるようです。また毒を持っていることも蛇を嫌う原因の一つであると思われます。だからといって偏見は蛇に失礼です。

 さて、新年を迎え今年の抱負に「今年こそ日記を」と目標をたてられた方もあろうかと思います。「日記をつけても三日坊主」がよく使われる言葉です。故事ことわざ辞典によれば三日坊主とは「非常にあきっぽく長続きしないことのたとえ、又そのような人」とあります。目標をたてる時は「今年こそは」と希望に燃えていても、その熱はそんなに長く続かないのはどうしてなのでしょうか。「面倒くさいこと」「好きではないこと」には人間の意志はそんなに強くないのです。長続きする方法は「三日坊主」で落ち込んでも、自分を責めないことです。日記をつけて(1日~3日)四日目からやめると正に「三日坊主」ですが四日は休憩をとり五日目から書けばいいのです。七日まで書いて八日に休憩し九日からまた書けばいいのです。つまり「三日坊主」を自覚したその上で続けていくことが大切です。一年365日、四分の一は駄目でもやり直しをしていると四分の三は成功していることになり、その自分を褒めるべきです。 何事も具体的な目標をたてその目標に向かって実践あるのみです。元祖さまは「日課念仏」を推奨されています。「数を定めぬは懈怠の因縁なれば数遍を勧むるにて候」と数をきめた「南無阿弥陀仏」をお勧めになっています。「三日坊主」にならないようにいつでもどこでも「南無阿弥陀仏」を称えましょう。

合掌

三河 攝取院
日尾野隆光

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