今月の法話
こんにちは、ごきげんいかがですか。
先日、周囲の反対にもかかわらず、十年間私の足となりお世話になった愛車を入れ変えました。
ナンバーは思い通りの、四九-八九白い車です。
世の中の男性と女性の関係も思い通りに行けば良いのですが。
男が女に恋をして、やがて深く愛するようになった。
男の心が女に伝わり、女が男の心を深く受け入れれば、二人にとってこれほど結構「楽」はありません。
しかし、男の愛を女が受け入れなければ、男にとってこれほどつらく苦しいことはありません。
わたしたちは、常に思いどおりにしたい、という欲望を持ちます。
その欲望が、思いどおりにならなかったらどうでしょうか?
それが「苦」の原因とはなりませんか?
多少は思い通りになることもあるでしょう。
しかし、思い通りにならないことの方が多いのではないでしょうか?
夫婦でも親子でも、決して自分の思い通りにはなりません。
私たちの暮らしの中に「苦」ありと認識することが仏教の出発点です。
私の車のナンバーのように「苦」を「四苦八苦」申しまして、最大の山場で、どうしても乗り越えていかなければならないのが、「死の苦」であります。
浄土宗を開かれた法然上人は、“南無阿弥陀仏”と声に出してお称えすることで、「死の苦」を乗り越えましょう。
死ではありません。
阿弥陀仏の西方極楽浄土へ往き生まれるんですよ。
その西方極楽浄土へ往くための切符は、南無阿弥陀仏と声に出してお称えすることですよ、安心してください。ほかに切符はいりませんよとお示しでございます。
洗車したばかりの白いきれいな車も、塵、ホコリ、泥、等によりすぐに汚れてしまいます。
我々も日常生活の中、いろいろな悪い心で、せっかく美しい心をいただいたはずなのに汚してしまっています。
十二月です。
家のお掃除、車の洗車、一番大切なのは、手を合わせて“南無阿弥陀仏”と心のお掃除を入念にしていただきたいと思います。
きっと、にっこり笑顔の、きれいな人になりますよ。
必ずきれいになれますよ。
石川 大蓮寺
高島訓堂