今月の法話

平成16年4月

苦悩多き人生におけるつきせぬ喜こびの泉こそ南無阿弥陀佛

あくなき欲望を満足することに「しあわせ」があると信じてつきすすんできた現在社会は、かえって不足、不満を生み苦悩を増長させる結果となってしまいました。
快適さと便利さを追求した近代化科学は極限まで発達しましたが、反面、自然環境はこわれ、人間が生きられないような事態が現実化してき、子孫に負の遺産を残すことになってしまいました。
過去の時代に比べ現在を生きる私達はかえって苦悩多き人生を送らねばならなくなったと言えます。
そんな苦悩の多い人生を私達はどう生きてゆけばよいのでしょうか。
それはお念佛を申し阿弥陀如来の智慧と慈悲の光明に照らされ、つつまれて生きてゆくことにつきると思われます。
阿弥陀如来の大慈悲をいただく時、如来力により私達の苦しみ、悲しみはやすらぎ、そこに真実のよろこびと生きる力がいただけてくるのです。
実にお念佛は、この苦悩に満ちている人生に希望とよろこびをもたらせてくれるものであります。
希望に胸ふくらませて進み行くところに、ほんとうに生きがいのある人生があらわれてくるのであります。
苦悩多き人生における、つきせぬ喜こびの泉……
これこそ南無阿弥陀佛のお念佛であります。

合掌

奈良 西迎院
中村晃和

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