今月の法話
平成17年の年も明けて早くも中旬を迎えます。
今年は仏暦2548年、浄土宗開宗834年、宗祖法然上人様がお亡くなりになって794年目、800回忌の御忌まで6年となりました。
宗祖法然上人様は今を去ること794年前の建暦2年(1212年)正月25日の正午に80歳でお亡くなりになりました。
御伝記によりますと、法然上人様はお亡くなりになる 3.4年前ころから目や耳が御不自由のご様子であったが、お亡くなりになる建暦2年正月を迎えてから、2日よりお食事はすすまなくなったものの、
「一根明利なることむかしにたがわず、見る人随喜し不思議のおもいをなす。」
ように、見ること、聞くことがはっきりしてきました。さらに10日になると、上人は床から起きて、看護しているお弟子さんたちに、
「高声で念仏すべし。弥陀仏のきたりたまえり。
この御名をとなふれば、一人として往生せずということなし。」
と、大きな声でお念仏を称えなさい。阿弥陀様が来ました。お念仏を称える人には、かならず阿弥陀様がおむかえになりますと、お元気な時の上人様のご様子で念仏の功徳を話されました。
正月23日よりは上人のお念仏が
「あるいは半時、あるいは一時、高声念仏不退なり。24日の酉の刻より、25日の 巳の時にいたるまでは、高声躰をせめて無問なり。」
あるいは半時、あるいは一時高声でお念仏を申され、それが24日の午後5時ごろより25日の午前9時頃まで、休みなく大きな声でお念仏なさっておられる。そのうちに、11時ごろよりはお念仏するお声も低くなり、25日の正午に
「ねぶるがごとくして、息たえたまえぬ。音声とどまりてのち、 なお唇舌をうごかしたまうこと10余辺ばかりなり。 面色ことにあざやかに、形容ゑめるに似たり。」
おねむりになったように、息を引き取りました。お念仏をお称えする声が止まっても唇を動かされて、10辺ばかりお念仏を申されました。
お顔には笑みをたたえられ阿弥陀様のご来迎をお喜びでした。
と御伝記に述べられております。
正月25日は、昔は旧暦ですから、今年の新暦で見ますと3月5日になります。
今から約2ヶ月ありますが、現在はすべて新暦で行事が行われます。
よって総本山知恩院様では今月の24日には元祖大師法然上人様のお逮夜法要を営み、翌25日御忌法要(ご命日の法要)を営みます。
さらに、4月18日から25日までの8日間、総本山知恩院御忌大会法要が全国の御寺院檀信徒の参加を得て、盛大に繰り広げられます。
浄土宗門ではこの法然上人様のご命日を記念して毎月25日には「世界平和念仏の日」として、全国の浄土宗寺院を中心に各ご家庭でお念仏を称えるように、運動を展開しております。
どうか皆様も25日はそのおられた場所で、会社でも、ご家庭でも、食堂でも畑地や海上でもいいのです。
合掌をして「なむあみだぶつ」のお念仏をお称えして、ご家庭、会社、社会、世界の平和を念じてください。
宮城 浄念寺
高橋清海