今月の法話

平成17年6月

六月は梅雨の月です。
この季節になりますと日本中いたる所で咲く花といえば、紫陽花です。

この紫陽花はアルカリ性の土に植えますと赤色系の花が咲き、酸性の土に植えると紫色の花が咲くという性質があります。

この花は土壌をきらわず、それぞれの場所において一生懸命美しい花を咲かせるのです。

つまり縁に従い、縁を喜ぶ花といえましょう。

私たちも、毎日多くの縁により、さまざまな人と出会い、さまざまな出来事にめぐりあって生きております。
けれども、この紫陽花の花のように、いつでも、どこでも、どんな時にも、縁を喜び、縁を生かして生きているでしょうか。

私たちはややもすると、突然の出来事にとまどい、驚き、わめいたり叫んだり愚痴を言っては、責任を他人に転化したりはしませんでしょうか。

どんな時でもご縁を喜べる大きな、広い心が必要です。
この大きな広い心を育てるものこそお念仏の修養であります。

お念仏を申しておりますと、不思議なことに、いつも阿弥陀さまに見守られているような気がします。
阿弥陀さまに見守られて歩む人生、どんな人や、どんな出来事に出会っても恐れることはありません。

まさに縁に従い縁を喜ぶ(随縁・喜縁)生き方ができるでしょう。
心してお念仏を申してゆきたいものです。

山形 稱念寺
井澤隆明

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