今月の法話
平成17年12月
今年も、最後の月になりました。
1年間の整理をされていることでしょう。
先日、高校の同級生から法事に招かれました。
お仏壇の上の壁に「厳護法城」の額が掛けてありました。
彼の祖父がお寺さんに書いてもらったものだそうです。
「厳かに仏法の城を守る」という意味で、無量寿経の中の言葉です。
「法城」とは人々が念仏を信じて集まるお寺や、お仏壇のことだと考えられます。
彼の一族は、この言葉を家訓にしていると聞きました。
よくまとまり、よく働き、温かな、屈託のない人たちです。
一方、新聞紙上では家庭崩壊が原因と思われる事件が、毎日のように報道され、しっかりとした家庭を築くことの大切さが、求められています。
今こそ、お念仏の心を取り戻し、
家族そろってお仏壇の前で手を合わす一時をぜひ持ちたいものです。
そして、お念仏による、明るい人の輪を広げましょう。
幾人かまとまれば、ひとりでする何倍もの力が発揮できるものです。
大晦日には、1年の締めくくりとして、揃ってお寺へ除夜の鐘を撞きに行きましょう。
―――― 心にやすらぎを、家庭にみ仏を、社会にいつくしみを ――――
合掌
南海 称念寺
泉達雄