今月の法話
平成19年1月
かされる 生命尊し 今朝の春
昨年の世相を漢字一字で表すと「命」と言う字が選ばれました。
いじめによる自殺等で、命の重みや大切さを感じた人が多かったようです。
当然のことながら、 この世において私の命はたった一つしかなく、それ故に、お互い同士が命を尊重しあわねばなりません。
さらに、その命は自分一人で育んできたのではなく、多 くの人や物、あるいは目に見えない力によって生かされてきた命なのです。
口先をひん曲げて川を遡る鮭は、無目的には遡りません。
自らの卵を生み、その小さな小さな命を伝播させていこう。
育成しよう。
大成させようと願って、痛々しくも難渋な川上りをしていきます。
この私達の命も、数知れない力によって今日まで導かれ、育まれてきた命です。
阿弥陀仏様は不可視、不可思議であって、この世に満ち満ちた力をかけていて下さり、お念仏を申す私達を救わずにはおれない、この私達の命を放ってはおけないとされる仏様なのです。
その仏様に尊くも導かれる私、生かされるこの私と心に受けとって、新年を心晴々とスタートさせていただきましょう。
合掌
京都 大善寺
羽田龍也