今月の法話

平成19年2月

心穏やかに

 誰もが持っている煩悩の一つに瞋恚(腹立ちの心)というのがあります。
ある大学病院の先生は、「人間が腹を立てると、心穏やかにしているときの21倍も 血液が濁るんですよ。」とおっしゃいました、できるだけ腹を立てない方がよいのですが、わかっていてもつい腹の立つ私達です。

ある時、スピード違反の取り締まりに、AさんとBさんの二人が捕まりました。
A さんはおっしゃいます、「なんであんなところで取り締まりをやっているんだ、点 数を引かれ罰金取られて馬鹿らしい。」と腹を立てます。

一方、Bさんは「確かに点数を引かれ、罰金も取られたけれど、ちょっと待てよ。
あのままスピードを出して走っていたとしたら、もしかすると事故を起こしたかも しれない。
もっと悪い場合には人を傷つけることになったかもしれない。
取り締ま りで捕まったけれども、安全運転を心がけなさいという仏様、御先祖様のお導きか もしれない。感謝しておこう。」と受け取られました。
全く同じ状況に遭遇したにもかかわらず、受け取り方次第で、自分の身体に対する 影響も全く違ったものになっていくのです。

分かっていてもなかなかできない私達。
お念仏はそんな私達に、より尊い受け取り 方ができるよう阿弥陀様が働きかけて下さるのです。
お念仏の中、心穏やかな生活を、心がけて参りましょう。

合掌

京都 天然寺
城平賢宏

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