今月の法話
タイトル
御念仏の故郷、総本山知恩院にもようやく、過ごしやすい春の季節になって参りました。
この良き春には、宗門関係学校の新入生の皆様が参拝に上がられ、『合わす手に みんなの笑顔 みなぎる力』と、希望に充ち満ちた素晴らしい顔を為さっているのです。
さて、このような笑顔で希望に満ちた顔が出来るのは、「布施って何だろうね まごころ込め 相手が善くなるようつくすこと いつもにこにこあかるい笑顔 いつもにこにこやさしい言葉」と、御念仏を申し拝むことにより、阿弥陀様の和顔愛語の布施を頂戴できるからであります。
ところで、私達は、和顔愛語の心で子供達に接しているでしょうか。
ある本に、父親と子供の接し方を「カ・キ・ク・ケ・コの父」であると紹介されていました。
それは、ヵとは、甘父で、子供に甘く、物を買い与え、子供の機嫌ばっかり取っている父親。
キとは、金父で、子供に分不相応のお金を与え、世の中すべて金で解決出来ると思っていている父親。
クとは、勳父で、我が子を勲章にしようと、人間の価値を地位名誉に於き、一流大学・一流企業に入り社会的高い地位に付かせようと、父親の価値判断を押しつけている父親。
ケとは、兼父で、優柔不断で、主体性がない父親。
コとは、恨父で、不満を社会や同僚のせいにして、愚痴や恨み言の絶えない父親。
このようにな事は、私達、父親だけでなく、母親にも、先生や上司にも当てはまると思いますが、そのような両親、先生に育てられたならば、子供は、甘えっ子で、正しい金銭教育がなく、正しい見方が出来ず、人のせいばかりして、ついには、プレッシャに負け心のダメージを受け、学校や家庭内で問題が起こすのではないでしゅうか。その時こそ、「和顔愛語」の精神を活用すべきであります。
それは、私が、PTAの会長に就任していたときのことで、学園祭にヘルシー丼の模擬店を出し、沢山のPTAのお父さんが、エプロンを付け、なれない手つきで、少し切り傷を作りながら、野菜を切りお母さんと笑顔で協力して活動していただきました。あいにくの雨模様でしたが、優しい顔、優しい言葉で子供たちに接し、優しい心を振りまいていただいたのです。あるお父さんは、「エプロン姿は、初めてですわ」とニコニコ笑いながら恥ずかしがっておられましたが、子供のためにと思う親心一杯でした。
「美しい笑いは、家の中の太陽である」(サッカレー)と言われてますように、家庭や学校でも明るい笑顔と優しい言葉が通い合う子供さんに育つように、共に和顔愛語の布施を御念仏を申しながら致しましょう。
大阪 法善寺
神田眞晃