今月の法話

平成19年7月

恭敬礼拝

 在家仏教青年会研修会反省会でのことである。ある青年が、もっとけ「クギョウライハイ」の時間を増やして下さいと申し出た。よく聞いてみると、「恭敬礼拝」を「苦行礼拝」と思っていたようで、違いの説明をして納得していただいた。

 恭という字は身体で敬うことであり、敬という字は心のあり様を意味することで、「恭敬」は、心身ともに「うやまう」もっといえば、「身も心もなげだしてうやまう」ことなのです。釈尊成道の地ブッダガヤの大塔でみたテラバーダ仏教の方々の礼拝はまさにそれで、心身を仏前になげだす礼拝だった。

 単純に考えても、人間がほんとうに人間としての謙虚さを持って生きているかぎり、人間同士は勿論神仏に自然と、うやまい礼をすることになるのです。

 この反対が驕慢心で、浄土宗の信仰で最も注意すべきことでしょう。恭敬礼拝は、私たちが謙虚になることを心身で会得しでいただくことを教えています。

宮城 雲上寺
東海林良雲

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