今月の法話

平成21年4月

お念仏の因縁

 「因縁をつけられた‥」というと、普通は言いがかりをつけられた、という意味ですが、「因縁」とは、お釈迦様が説かれた、この世の在り方のことなのです。物事には必ず因(原因)があり、それが縁(諸々の条件)にふれて、果(結果)が生ずるということなのです。
 一粒の花の種があります。それを、机の上に置いて眺めているだけでは、いつまで経っても花は咲きません。その種を土に埋めてやり、さらに水や陽の光に恵まれて初めて花が咲きます。
 二粒の種を同じように蒔いたとしても、片方は花を咲かせても、もう片方は鳥に食べられてしまったり、ふみつけられたりして、花を咲かせられないかも知れません。
 何事も因と果の間に、縁が働きかけ、あらゆる物事はこの縁の関わり方によって結果も変わってきます。

       心貧しき人は 不平不満で 一日過ごし
       心豊かな人は お陰お陰で 一日過ごす
 同じ一日を過ごすのにも、不平不満ばかり言っていると、心貧しい生き方になってしまいますし、お陰様の心で過ごしていると、心豊かな生き方になって参ります。
 私達はお念仏のみ教えに遇うことができました(因)。そのお念仏を称えるか、称えないか(縁)。そのことによって人生が変わって参ります(果)。
 お念仏を称えることによって、阿弥陀様が護り導いて下さり、この世、後の世かけて幸せで心豊かな日暮らしをさせていただけるのです。共々にお念仏を称えて参りましょう。
                                   

合掌

京都 天然寺
城平賢宏

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