今月の法話
平成21年5月
光と闇
闇と光とは不思議な関係にあります。
闇は決して自分で闇を消すことはできません。しかしながら、ひとたび光がさしこむと
たちまちにして闇は消えます。又、光が消えると闇が自然とでてきます。
阿弥陀佛のおはたらきは光明でもって表現されます。光背がそれであります。
私達の心の闇、これを佛教では無明という闇も自分で闇を消すことはできません。そこに阿弥陀佛の光明がさしこんで始めて無明(闇)は消え去るのです。
今、人々の心から阿弥陀佛の光明が消えつつあり心の闇が広がっているのです。まさに佛縁うすき時代となりました。
そこから自己中心的な、理解しがたい残虐な犯罪の多発へとつながっているのです。
今こそ私達は人間至上の考え方を捨て謙虚に阿弥陀佛の光明に浴していかねばなりません。
阿弥陀佛の光明をいただくとは南無阿弥陀佛とお念仏を申すことです。お念仏を申すことで、阿弥陀佛はこの私達のお粗末な心の闇を明るみへ明るみへとお導き下さるのです。
そこのところをお経には、光明遍照・十方世界・念仏衆生・摂取不捨とお説き下さっています。深く味わあせていただきたいものです。
合掌
奈良 西迎院
中村晃和