今月の法話
自分を知る
誰もが自分自身の事が気になるところであります。自分の事が一番大切で過保護であります。ですから苦しい事より楽しい事、嫌な事より好きな事をしたいと思うのが自分であます。自分の事となると何をさておいても優先されます。休むために仕事を差し繰ってでも時間を作り準備します。
そんな大切な私もたくさんの方々に支えられています。連休にはご家族揃って出かけられる方が多いでしょう。高速道路も料金が割り引かれ遠出しやすくなりました。また交通機関も早く、便利になりました。宿泊は何処の温泉にしようかと楽しい計画がいっぱいの事と存じます。そんな旅の計画も休日を返上して皆様をお迎えくださる方々がおいでであるから出かける事が出来るのであります。仕事とはいえ、同じように休みたいと思うのが人ではないでしょうか。楽しい旅の思い出もたくさんの方々が支えて下さっています。
人は一人では人ではなく、二人以上集まって人になるのです。「人」という字が表すように、二本の棒が互いいに支え合っています。右上より左下に斜めになっている長いほうの棒を、右から左下の斜めになっている短い棒が倒れないように支えています。これが「人」の宇であります。
長い棒が支えられているように見えますが。実は短いほうの棒も。長い棒の重みによって倒れないで支えられているのです。互いに支え合っているから『人』なのです、支え合わないと調和が保たれません。支えているつもりが。支えられているのであります。支えられているとは思いにくいものです。
人は独りではありません。私を支えて下さっているたくさんの方々がおられますが、自分の事しか見えず、周りの事が見えない私でありますから、支えられている事に気が付かないのであります。
法然上人は自分をしっかり見つめ、阿弥陀仏を心底信じ、み名を称えれば必ずお救い下さると、一切経というたくさんの教えの中から選び取って下さいました、浄土宗は「南無阿弥陀仏」とお称え致します。一度声に出して「な・む・あ・み・だ・ぶ・つ」と申してみてください。
平成23年3月27日から法然上人800年大遠忌が勤められます、是非ご縁を結んで下さいますようご案内申し上げます。
合掌
担当理事