今月の法話
平成22年9月
秋彼岸
彼岸の中日にお日様が西に沈むところに、阿弥陀様の大願業力の国である極楽浄土があります。お釈迦様の教えに『是より西方十万億の仏土を過ぎて世界在り。名づけて極楽という。その国に仏まします。阿弥陀と号し奉る。今現に在まして説法したまう』とあります。故に浄土宗では阿弥陀様にお会いするため極楽に往って生まれさせて頂こうとお念仏を申します。
彼岸とは一般に、到彼岸と申しまして、迷いの此岸から悟りの彼岸へと渡らせていただき、真実の姿に生まれ変わらせて頂く実践修行方法が説かれているのであります。疑心・懈怠・自力・高慢な思い定める事の出来ない我々であります。因果の道理に照らせば地獄に落ちる身の上、真実の姿に生まれ変わらせていただくことは大変困難なことであります。しかし、浄土宗では阿弥陀様の大本願力により変わらせて頂けるのであります。諸仏までもが願われていることなのであります。
ご先祖様に感謝し、自らが阿弥陀仏のみ名を称え供養することは自らの良縁となり、決して虚しい事ではありません。大いに阿弥陀様のみ名をお称え下さり極楽を目指して下さい。
極楽浄土は十万億の浄土を過ぎたところにありますが、他の仏の浄土はそれよりも遠く、百万億土・一千万億土と離れています。道綽様は西方遠からずと申され、法然上人も心を極楽にかけながら念仏を行ずれば、自然に合間見ゆる故に西方遠からずと仰せられています。
合 掌
佐賀 浄圓寺
藤野良海