今月の法話
平成22年11月
見守られている
NHKテレビで「戦争の証言」と題し、ある航空隊の元兵士達が出撃の様子を話されていました。
第721航空隊「桜花」の搭乗員で、出撃はしたものの爆撃機の故障で海に不時着し、九死に一生を得て生還された人たちの証言でありました。
「桜花」とは人間爆弾といわれる飛行艇の名前で、飛行機の下に固定し、目標近くまで運ばれ、敵艦船の近くに迫ると空中で切り離されて、敵に突っ込んでゆく一人乗りの人間飛行機爆弾であります。よく知られるところの「特攻隊」であります。
桜花のパイロット達は皆「お母さん」と絶叫して突っ込んで行かれたことでありましょう。遠く離れていても、常に思い、見守って下さる「お母さん」であります故に、最後の頼みの綱は「お母さん」なのであります。
法然上人のご法語に「衆生仏を礼すれば仏これを見たもう。衆生仏を称うれば、仏これを聞きたもう。衆生仏を念ずれば、仏も衆生を念じたもう。」とお示しいただいております。
今世の「お母さん」に対し、阿弥陀様は過去、現在、未来の三世に渡る御親でありますが、凡夫の我々には感ずることが出来ません。しかし、何時も見守って下さるお母さんに勝る仏様であります。
毎日「南無阿弥陀仏」とお念仏を申し、「お守りください」、「お救いください」とお願い致しましょう。
合掌
宮城 淨念寺
高橋清海