今月の法話

平成23年11月

誰にでも出来ること

 法然上人800年大遠忌法要も無事に終わり、期間中は約7万人の参詣者が訪れ、御影堂には僧俗一体のお念仏の声が響き渡りました。

 季節はこれから冬へと向かいます。冬になるとインフルエンザや風邪などに注意が必要です。最近免疫力に関する本が多く出ています。免疫力を上げると病気になりにくく、しかも免疫力は老化による衰えはないそうです。

 知り合いに、ここ数年風邪一つ引いたことがないという85歳のお婆さんがいます。秘訣を聞くと「何もしていないけど、強いて言えば子供の頃からラジオ体操だけは毎日続けています」とおっしゃいました。

 最近の研究では笑ったり、笑顔を作るだけでも免疫力が上がることがわかっているそうです。また、日常使う言葉でも「ありがとう」や「感謝します」「やってみます」などの肯定やプラスの言葉は免疫力を上げ、否定やマイナスの言葉は免疫力を下げるそうです。

 ラジオ体操や笑うこと、またプラスの言葉を使うことなどは、お金もかからず誰にでも出来ることです。ただ実行し続けるかどうかによります。

 法然上人が説かれたお念仏も誰にでも出来る行です。浄土宗が開かれるまでの仏教は特別な地位(貴族や武士)にある人や裕福な人にしか縁のない仏教でした。それをすべての人々が救われる仏教としてお示し下さったのが法然上人です。今日の私達も阿弥陀様にすがり南無阿弥陀仏と称えることで、この世、後の世かけて幸せな日暮へと導かれていくのです。801年へと向かってお念仏を称え続けて参りましょう。                   

合掌

京都 天然寺
城平賢宏

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