今月の法話

平成24年1月

心機一転

 新年あけましておめでとうございます。

 毎年毎年、今年こそ今年こそと、いろんな計画や決意を持って新年を迎えるのですが、去年の自分を振り返ると、いつも恥ずかしくなります。一生懸命努力精進なさる方に比べて、自分はなんと怠け者であることかと、情けなくなるのです。
 お念仏の生活もそうであります。

 毎日毎日、何百編、何千遍、何万遍とお称えになる方に比べて、私は往生極楽を願ってのお念仏を一体何遍しているのだろうかと。
けれども、たとえ最後臨終の十遍のお念仏でも必ず往生できるというみ教えの、なんと有り難いことでしょう。
 たとえば、千年間、扉が閉ざされて真っ暗闇であった部屋を明るく照らすには、千年かかるでしょうか?いいえ、そんなことはありません。扉を開いたならば、一瞬にして部屋の中は明るくなるのです。
 それと同じように、私たちの心が、たとえこの命の始まる以前から今までずっと、貪りや怒りや愚かさの煩悩の闇に閉ざされていようと、お念仏をお称えすることによって、阿弥陀様の光明に照らされて、清らかな心にさせていただくことが出来るのです。
 今年からと心を改め、今日からと心を改めて、お念仏の生活をさせて頂く。たとえ怠ける日があったとしても、それは凡夫であればこその仕方のない事です。次の日から再び心を改めて、お念仏をお称えしていこうではありませんか。

 あらたまの 年の始めに 高らかに

        声あらためて 南無阿弥陀仏
                  
                                  

合掌

大阪 浄念寺
坂下雅裕

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