今月の法話

平成24年8月

 大津市立中学2年の男子生徒がいじめで自殺した後も、いじめの報道が続いています。
 表面に出てくるのは氷山の一角なのでしょう。大きな社会問題となっているこのことに私達は真剣に取り組んでいかねばならないでしょう。 昔からいじめはあったのですが、最近のいじめは陰湿で重苦しい印象を受けます。この様な情況に子供達を追い込んでいるのは大人の責任が大きいはずです。
 私達が生かされているこの世界にあるすべてのものは、複雑な大きな繋がりの中にあって、その繋がりの大きな力に動かされてゆくと釈尊は教示されておりますが、この問題は特に現代社会が幾重にも網の目が複雑に折り重なったような中で関連した繋がりの中での事象なだけに簡単にはこの問題が終息することはありませんが何といっても、日本の現代社会の中で足りないものは子供達への宗教情操教育であると断言できます。

 私は自坊でナムナム寺子屋を開設して、今年で36回目になります。子供達に法然上人の南無阿弥陀佛のみ教えをお取り次ぎしておりますが、理屈でなくただ南無阿弥陀佛と口称するといつのまにか自分自身を生かそうとする大きな大きな力と相手を思いやることの出来る大いなる力が小さな子供達の心にも植えついていくことを実感しています。
 信仰深かった法然上人の父時国公の遺言忘れがたくしてとの元祖様回想を思うにつけ、子供達への情操教育の大切さを思われてなりません。

合掌


宮城 雲上寺
東海林良雲

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