今月の法話
平成25年7月
弁財尊天祭り
当寺院では、7月の梅雨がまだ明けない頃に「弁財尊天」のお祭りがあります。本来は22、23日ですが、当地方の事情で、16、17日に行っています。と申しますのは同じ市内で港まつりが20、21日にあるためです。
また、一般的に「弁財天」というと「琵琶弁財天」(びわべんざいてん)という音楽の神様を思い浮かべますが、私の所の弁財天は「お釈迦さまを守る仏様」です。「南無弁財尊天」(なむべんざいそんてん)と言っております。 そのため次のものをもっています。 弓、箭「や」、刀、矟「さく」、斧「おの」、盾、鉄輪、けんさく(わな)の8つで8臂(ぴ)です。これらの行事は江戸の後期より行われていた模様で現在に至っております。
宵祭りの前夜祭法要にはお念仏をあげており、皆さん熱心です。その後、花火や飲食をし大変にぎやかな祭りです。お念仏によって生かされている夏の夜の一日です。
翌日は本祭りです。梅雨の合間なので太陽の照っている時もあり、一日中雨の降っている時もあります。日中法要の後お説教に続き飲食です。この時の食事はサバの味噌煮が入っております。普通一般には精進料理ですが、この時ばかりは違うのです。どちらも老若男女で賑わっています。この行事は宗派にとらわれず行っておりますが、常に念仏をあげております。そして次の言葉を思い浮かべます。
「いけらば念仏の功つもり、しなば浄土にまいりなん、とてもかくても此の身には 思いわずらうことぞなきと思いぬれば 死生ともにわづらいなし」と法然上人が申しているように、念仏者の生活においては生死の問題にわずらいなく過ごすことができることを示しております。常日頃念仏を申していると安心するものです。
合掌
秋田 善長寺
渡辺正歓