今月の法話
平成25年8月
お盆を迎えて
私どもは、どこかで区切るという考えを通して次のステップに進んだり、原点に立ち返ったりします。物事が上手く運ばなかったり、仕事の悩みを抱えたり、成績が上がらなかったり、とにかく嫌なことが続く場合などは特に、何か、きっかけを作り、一区切りして次へと思考を運びます。
私どもは、様々な節目を大切にし、次へ向けて区切ることで新たな気持ちでまた進んでいきます。例えば新年を迎える時、入学、卒業、歓送迎会、誕生日、結婚記念日など各種記念日、勿論、年忌法要まで含め、一つの区切りをして、次に進んでいるといえます。区切ることで次が進むのです。
今年もお盆を迎えます。亡き方をしのび、お迎えするこのお盆の行事は、まさに、この日まで、この日からという区切りを自らが行って、それぞれの思いで新たに念仏信仰を深めていく機会になりましょう。この区切りは、法然上人の教えにたてば、昨年のお盆からを振り返り、懺悔し心新たに念仏を相続していこうと次に進む区切りとなるのです。
大切な亡き方をお念仏で迎えるということは、なつかしく、うれしく心温まります。姿、形は見えなくとも一緒のひとときを過ごせるだけに、お送りする際も、また極楽から、護り、導いて下さいねとお念仏申すその一区切りから明日が明るく見えてくるのではないでしょうか。日々、新たな気持ちでお念仏をお称えして参りましょう。
合掌
神奈川 光雲寺
慶野匡文