今月の法話

平成25年12月

迷わないため

 さて、最近の登山ブームにともなって、遭難事故が多発しているそうです。大人数で登山をして、しかもそれも山岳ガイドも付けられているのに、低い山での遭難が多いそうです。あまりに多いので、その理由を調査すると驚くべき結果が出ました。
  それは、多くの人が、軽装で山に登るための備えをしていませんでした。ガイドさんもいると慢心して地図をもっていない、さらには仲間に聞けばよいとどこに行くのかさえ分からない人までいたというから驚きです。つまり全員、自分だけは迷わないと思っていたのです。
迷ってから初めて遭難したことに気付き、なにも分からないのに、それでもまだ自分のゆく道が助かる道と思い勝手に進んでしまった事が、事態を悪化させるそうです。迷うというのはこういう事かもしれません。
  これはこの世での話。あの世への旅路での迷いは、取り返しがつきません。
  だから極楽浄土に往生したいと願い、阿弥陀様を信仰し、お念仏申す事が必ず必要です。自分はきっと極楽浄土に生まれるだろうと念仏しないのは、地図をもたずに山を登るのと同じです。くれぐれもお念仏をしっかり申すということをおわすれなく。      

合掌

奈良 西福寺
福田典弘

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