今月の法話

平成26年7月

感謝の日暮らし

 われわれはお天気によりまして気分が変わります。朝、晴れていると、気持ちよく起きることができますが、雨が降っておりますと何か一日重たい気分になります。

 それがわれわれ凡夫の心であります。

「生かされて 生きるや今日のこの命 天地(あめつち)の恩 限りなき恩」と申します。 私たちが今生きているということは、天から恵みの雨が降り、光が差し、大地の養分をいただいてお米やお野菜が育ち、それを私たちが頂戴して、この命を生かさせていただいているということでございます。

 本当にこの真実をしっかり受け止めることができましたら、常に感謝の心をもって、雨がふってもよし、お天気でもよし、みな有難いと、そのように受け取ることができると思うのであります。

 さて、家を建てること「普請」と申しており、「普請」とは「普請衆力」、あまねくもろもろの力を願う」ということであります。 ところで、家の普請では、さも自分一人で建てたように言われますが、自分の甲斐性だけで家は建ちません。自身の財布から出るお金ではありますが、工事に関係するすべての方々のお力をいただいて、家は完成するのであります。現在、自坊におきまして庫裡を建築中でありますが、毎日、大工さん、左官屋さんがたくさんの汗を流しながら作業をしておられます姿は、誠に有難いことであります。

 これらはすべて仏さまのお計らいによるものであります。私たちは「生かされている」その喜びに感謝して仏さまに手を合わせ、お念仏を称える中に生活をさせていただきたいものであります。 「世の中は 俺が俺がのがを捨てて お蔭お蔭のげに生きる」

合掌

奈良 極楽寺
野島学道

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