今月の法話

平成28年8月

お念仏に休みなし

暑いからこその涼風のありがたさ、そんな世界にも気づかず、不平不満で暮らしていませんか。いい風のことを、「極楽の余り風」っていうそうです。「小さな鍋ほど熱くなる」、とことわざにありますが、熱くならずに、極楽の余り風を感じて生きていきたいものです。
 暑いからといって、また、夏休みだからといって、阿弥陀さまを忘れた生活、阿弥陀さまと離れた生活をしていませんか。いつも阿弥陀さまといっしょ、と、お念仏を喜んで申す生活が大切です。俗に「思いだすよじゃほれよがうすい」といいますよね。思いださずに忘れずにお念仏を相続しましょう。お念仏に夏休みはありません。
 法然上人のご法語に「慕(こい)する人とは阿弥陀仏なり、恋せらるる者とは我等なり」とあります。恋する人の想いを、恋されている人が受けとめ、互いの心がひとつになってその恋は成就します。慕する人というのは阿弥陀さまのこと、恋慕われている人というのは私たち衆生です。阿弥陀さまがこの私を先手で慕してくださっていますから、私が「南無阿弥陀仏」と阿弥陀さまに心を向ければ、すぐに阿弥陀さまの御心とひとつになるのです。「私が忘れていてもサボっていても、仏さまはいつも見ていてくださるの」…ありがたいですねえ。阿弥陀さまのことを忘れず、いつの日にか阿弥陀仏にお会いすることを願って念仏生活励みましょう。お念仏に休みなし、です。
                            

合 掌

長崎 長徳寺
日下部匡信

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